月夜にみる






「ねぇ、あの時みたいにおれを欲しがってよ」
 
 熱い吐息といっしょに吐き出されたつぶやきにカッときて腹に肘鉄を食らわせてやろうと腕を思い切り引いた。今考えていたことが伝わったみたいで自分を殴りたいくらいに恥ずかしい!

「もう、危ないなぁ」

 全然危なくなんてないみたいな余裕で準太の腕を掴んで身動きできないように押さえながら股間をぎゅっと掴む。

「ひっぅ」
「早く素直になっちゃいなよ?そのほうがきっと気持ちいいよ?」
 なんてことないみたいな口調で頬に口づける。

「っさい!離、せっ!」

 こんなこと二度もさせない!そう思っているのに身体は勝手に気持ちいいことを追いかけていて、ジッパーを降ろして下着の中にまで忍び込んできた指にぐじゅぐじゅと湿った音をたてる。

「あっ・・・・・・・・ふっ・・・くっ・・・・・」


 漏れる吐息に背後の温もりが笑った気配がする。
どうにもならない苛立ちと怒りに破裂しそうなはずなのに、身体はちっともいう事を聞いてはくれずに勝手に相手の思うとおりになっている。
 その時、教科室棟からのびる体育館の渡り廊下からどやどやと人が来る話し声がして、準太が息をのんだ。



「おーい、早くしろってっ」
「この人数でマット運べんのかよ〜」
「やるしかないでしょ、この屈強な男子4人で」
げらげらと笑う声に知っている声が混ざって真っ直ぐこちらへ向かっている。

「屈強なのは和己だけだって」
「慎吾ナニ言っちゃってんの、逃がさないからな〜」

 聞き覚えのある、おいっていう声にもう間違いなく和己達だと確信した。
 体育用具室の扉がガラリと両方開けられる音がして身がすくむ。扉の向こうから聞こえていた声が今は直ぐ間近だ。

「や、オレはオブザーバーってことで」
「バッカヤロ4人しか居ないんだから2人分働けよ〜」
「何でオレだけ2人分…」



 室内に所狭しと並べられている跳び箱やらバレーボール用ネットやらのおかげで向こうから此方は見えないだろう。
 用具室自体に窓がないのも幸いしている。
 ふふっと頬に息がかかって自分の状況を思い知らされる。
 今動いて物音を立てたら、この姿を和己や慎吾に見られてしまうだろう。

「ねぇ、和さん達に知られちゃったらさー、準さんどうする?」

 さらにしっかりと巻きついてきた腕が準太を抱き込んで、指はやわやわとくびれた部分を愛撫する。
 じわりと溢れる液をさらに全体へとのばしてすべりを良くするのに身体が凍りついた。
 シャツのボタンがゆっくりと外されて行くのに、完全に抗うスベを封じられて動くことすら叶わない。
 肌の上を直に動く温かな手に憤りを感じて奥歯を強く噛みしめた。
 バフン!と空気の押し込められた音がして、誰かが高跳び用マットに乗っかったようだった。
 その音にビクリとした身体に仲沢の器用な指がますます図にのる。

「おい〜遊ぶなよ〜」

和己の笑っている声音が半分困ったように、悪ふざけをするクラスメイトに注意している。

「もうさ、ここで今日の体育サボリってどー?」
「おっ、いいね、いいね」



 愉しそうにふざけ合う声は直ぐに立ち去りそうもない。
 凍りつく準太にずうずうしい手は調子付いて、シャツの絡まる腕の下を通ってその下のTシャツも捲り上げ、乳首を捏ねまわしている。硬くなってきたその突起を弄ぶようにして、かわいいよね、等と屈辱的な言葉を耳元に吐く。
 するりと生地の滑る感触に、はっとして咄嗟に足元にズリ落ちそうになったズボンを慌てて手で押さえた。

 わずかにベルトの金具のカチャリという音がしたが、マットの上で飛んだり跳ねたりで遊ぶ3年生達には聞こえてないようだ。  
 相変わらずはしゃいだ声が騒いでいる。

「うん、そのまま掴んでてよね?落っことしたら音が聞こえちゃうよ?」


 中沢が楽しそうに言って、またクスリと笑う。
 準太はぎゅっと奥歯を噛み締めた。
 でもその間にも手は休むことなく動き続けてだんだん立っていることすら出来なくなりそうだ。
 息があがってくるのを、右手のシャツの絡まった腕で塞いでなんとか息が漏れないよう我慢した。

「お〜い、イイカゲン運ぶぞ」
「なんだよ和己、固いこと言うなって。どうせ畑は帰って来ねぇって。」
「緊急会議で授業遅れるんだろ?」
「なんかあったンかな?」
「わかんねぇけど、ラッキー♪」



 準太は内心冷や汗を掻いていた。
 やりとりの内容からして、体育教師の畑が緊急会議で授業に遅れるらしい。恐らく準備するようにだけ言いに来て又会議に戻ったとかそういう事だろう。

「あーあ、準さんどうする?和さん達まだここに居そうだよネェ。声、気をつけないと見つかっちゃうかもよ?」

 楽しそうに弾む仲沢の声にハラワタが煮えくり返る。
 反論しようにもヘタして声でも出して見つかったらと思うと怖くてそれも出来ない。
 硬くなってきた準太を下着の上からやわやわと擦りながら、指が先端の割れ目にそってくるりと動く。

「汚れちゃうよね」

 そんな風にささやいて下着も下げられる。
 片手で制服のズボンを抑えながら、もう一方の腕で口を押さえて仲沢利央の好きなようにされてる。
 背後の気配がするりと動くと双丘の間に湿った感触がして、信じられないことに舌で後をほぐしにかかっているのだ。
 立っていられなくなり、横の跳び箱に軋まないよう注意しながらもたれかかる。
 生き物のような舌が突き入れられて内壁を擦るのに膝が震えてどうしようもない。
 呼吸が儘ならなくて苦しい。でもそのままにしたらきっと和己や慎吾達に聞こえてしまうと思うと、抑えようとすればするほど、ますます息が上がってくる。
 その間にも仲沢の舌が逃げようとする腰を強く掴んで深く犯して来る。
 どうにもならない快楽の波が押し寄せて、勃上がる先端からはトロリと蜜が糸をひいて床に落ちた。
 ビクビクと脈打つそれは仲沢の愛撫を待ちわびるように甘い蜜を流し続ける。
それを無視して内腿をわざとゆっくりと舌でなぞって準太の様子を楽しんでいる。

「もう限界?」

 やっと柔らかな責苦から開放されたと思ったら耳元で中沢が楽しそうに聞いてくる。
 うるさい、と言おうとした口を大きな手で塞がれて、シマッタと思ったときにはもう遅くて硬くて熱い塊がさっきまでほぐされていた箇所に宛がわれて一息に侵入してきた。
 その衝撃にビクリ!と身体が震えるのを密着した仲沢の身体が受け止める。
 準太の震える頬に口付けてゆっくりと小刻みに腰を動かす。

「おまえら!」

 その声にびくり、と一瞬動きかけていた仲沢が止まった。
 準太の頬から血の気が消える。

 見つかった?!



「なんだよー、臼巻かよ〜驚かすなって!」
「畑が早く持って来いって怒ってンぞ」
「マジー!もう帰って来たのかよ〜」
「しょーがねー」
「運ぶぞ。そっち持てって慎吾」
「んもう、やだわぁ!」
「慎吾、キモっ」

 ゲラゲラと笑いながらも流石に和己の号令でマットを運び出し始めた。
 斜めにかしげて入口から担ぎ出すと丁寧に扉を閉めて行く。
 ドンという重い音がして話し声が遠ざかっていくのを確認して、やっと呪縛から解けた準太の身体から力が抜ける。






「よかったねぇ準さん?」

 楽しそうに耳朶を舐りながら仲沢が意地悪く腰を揺らした。
「っ!」

 今度は反撃に出ようとしたが、気を散らす和己達が消えたせいで逆に身体は気持ちいいことだけを集中して拾ってくる。

「ふっ、・・・・・あっ」

 和己たちがいる間にいいように嬲られた身体は意志に反してすっかりと濡れそぼっている。
 後腔も仲沢の腰が動くたびにグチッ、グチッと卑猥な音をたてて準太を追い詰める。

「やめ、ろ・・・・んっ」
「嘘つきだよね、気持ちいいんでしょ?」
「ぐっ」

 跳び箱にすがりつくが、それでも耐えられずに崩れそうになる腰を仲沢の腕がしっかりと支えてる。
 びくびくと痙攣しながら準太の腰が仲沢の動きにあわせて揺れ始めたのを、満足そうに目を細めた仲沢の長い舌がぺろりと唇を舐めて、人には無いような鋭い犬歯がのぞいた。
 緊張が快楽を産むのか、それとも単に仲沢が巧みすぎるのか、自分ではコントロールできないほどの波に容易く攫われて、全部がどうでもよくなってくる。
 仲沢の腕に抱きしめられて、後からなめらかな皮膚が頬擦りしてくる。

「ねぇ準さん、名前呼んでよ…」

 ちいさくつぶやかれた嘆願に、最後の意地があたまを擡げて絶対に呼んでなんかやるもんか、と思わせる。

「準さん」
「ゼッて、・・・・やだ!」
「呼んでよ」

 唇が追いかけてきて優しくついばもうとする。
 それを頭を振って拒否するのに、諦めない仲沢がとうとう準太を捕まえて、繋がったままキスまで奪われてしまう。
 全部を力ずくで持っていくくせに、そんな事だけそんな声でお願いだなんてムシが良すぎる。
 理性の半分だって麻痺させられているのに、いやだからこそだ、名前なんて絶対に呼んでなんかやらない。
 最後の最後の砦は死守してやる。
 全部をこいつの好きになんて絶対にさせない!
 








◆◆注意◆◆
本文は利央準太の他に  慎吾×準太(微エロ)  和己×慎吾(エロ無) 的なカンジの表現ゴザイマス。


                                 Apr 2010

-----------------------------------------------
やっとやっと出せます…!!!
なんたる長くきに渡りひっぱりつづけた事か!!! っつか昨年まで仕事が仕事が忙しすぎたんですよ…←言い訳 
そしてやはり結構な長さになりました。
2期も 「いよぅ、負け犬」 からの入りで準太の笑顔も見れたので先ずは満足ですよ!!
そしてやはりワタクシ準太を痛ぶりたくて、いやいや可愛がりたくてたまらないみたいですよ・・・ぎゃぼん!!

とりあえずは利央が狼男で、準太に色々強引にごにょごにょ…笑。そーいうのが書きたかったのです、たまには!
だっていつも準太の都合のいい男で、あんまり可哀想だから、とか思ったんです。たまにはっっ!!


 そして今回のスバラシき表紙はこたろうたさんが描いてくださいました!!!
NARUTOのヲ友達なのに、ゴメンよ〜それも締切りまで1週間しかないよ、とか極道すぎる・・・・いつもいつも本当に大迷惑ばかりかけてゴメンナサイm(_ _)m
色々土下座です・・・・でもありがとう!!!
いただいた時点で自分の原稿がこれっぽっちも終わっていなくて、スミマセ…起爆剤になりました!
デザイン表紙とかで簡単に!くらいの気持ちだったのでこんなキャワユイ利央準付いてくるとか思わなかったから一人で超コーフンでしたよ…☆はふぅ〜